医療機器修理・保守会社の事業承継で見られるポイント

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医療機器の修理・保守会社を引き継ぐとき、買い手が確認するのは契約件数だけではありません。どの事業所で、誰が、どの作業を担い、必要な部品や代替機を確保できるかを、契約と記録で説明できることが重要です。業許可、人材、サービスの採算、未完了の対応を結び付けて整理します。

この記事で確認すること
  • 修理と保守点検の業務範囲
  • 買い手へ示す資料と引継ぎ条件
  • 契約ごとの採算と対応能力
  • 決済前の手続・人材・情報開示
目次

最初に、修理と保守点検の範囲を分ける

「保守契約」という名称だけでは、修理業許可が必要な業務かを判断できません。修理に当たらない清掃・校正等の保守点検のみを行う場合と、修理を受託する場合を分け、実際の作業、修理区分、メーカーや外注先との分担を確認します。作業を再委託することだけを理由に、自社の許可が不要とは扱いません。

許可証の有無に加え、事業所ごとの業務内容と許可範囲、責任技術者の資格・実務、担当者の交代予定を照合します。製造販売業者としての義務やQMS・GVPの運用が関係する場合は、それを修理受託者の役割と混同せず、品質取決めや連絡系統を確認します。

買い手が確認する資料を、移行条件へつなげる

以下は検討資料の例です。すべての会社が同じ許可や記録を持つ前提ではなく、実際に行っている業務に絞って確認します。

表は横にスクロールできます。

修理・保守会社の事業承継:資料と確認事項
対象照合する資料決済前に整理すること
許可と責任者事業所別の許可証・修理区分、責任技術者の資格と担当、教育記録必要な許可・変更手続、退任や兼務の予定、後任者を確保する時期
受託する作業契約・仕様書、作業指示、修理報告、メーカー・外注先との取決め受付・診断・修理・点検の分担、保証対応、再委託と顧客説明の条件
契約別の収益更新・解約条件、請求明細、作業時間、移動・外注・部品費継続する売上と利益、無償対応の負担、値上げや契約見直しの要否
施設別の対応力設置台帳、点検予定、出動履歴、担当施設・地域・人員の一覧夜間休日や遠隔地の対応、担当者同行、未完了修理の引継ぎ責任者
部品・工具・代替機所有・借用品の区分、在庫・調達先、供給終了情報、工具の校正記録部品不足への対応、追加購入費、貸出・返却、メーカー支援の継続条件

保守売上を、継続利益と対応負担に分ける

年契約の売上でも、更新される条件、途中解約の条件、対応範囲によって引継ぎ後の採算は変わります。請求明細を契約・設置台帳・点検予定と対応付け、通常の点検と突発修理、部品販売、無償対応を分けて示します。外注費だけでなく、移動時間や緊急対応の人員確保も確認します。

前受金がある契約では未実施のサービス、未請求の作業では請求権と費用負担を確認します。売上台帳、保守台帳、現場の作業報告が一致しない項目は、理由と確認担当を記録します。契約件数や過去の売上だけで価格を決めず、継続に必要な費用と条件を価格交渉の前提にします。

手続と人材の準備を、決済後へ先送りしない

株式譲渡で許可等を持つ法人が続く場合も、責任役員・責任技術者・所在地等の変更手続を確認します。別の事業者へ事業を移す場合は、譲受側の許可・事業所・修理区分と必要な申請日程を所管へ相談します。顧客・メーカー契約についても、譲渡制限や支配変更条項、通知・同意の条件を別に整理します。

技術者の定着は、資格者名簿だけでは判断できません。担当機器、教育、引継ぎ期間、緊急対応の負担、処遇をすり合わせます。事業譲渡で労働契約を移す場合は、対象者へ十分に説明・協議し、判断時間を確保して個別の承諾を得ます。同じ法人が雇用主として続く株式譲渡と分けて準備します。

匿名検討から、現場の引継ぎ計画へ

最初は機器領域・地域・売上規模・体制を集計し、施設名や許可番号などから会社を推測される可能性にも配慮します。NDAに加え、候補先ごとの譲渡企業様の事前同意を得て実名を開示し、技術文書や顧客情報は第三者との契約条件も確認して段階的に共有します。

引渡し前には、未完了の修理・苦情、次回点検、預かり機器・貸出機、部品発注、緊急連絡先の一覧に、担当者・期限・費用負担を付けます。契約上の分担だけで法令上の責任が消えるわけではありません。営業・サービス・品質・経理の担当者が同じ一覧を確認し、未解決事項は実行条件や移行計画に反映します。

相談時には、整理できていない項目も共有する

初回相談では、社名を伏せたまま、事業内容、製品領域、許認可、売上規模、希望時期、譲れない条件を整理できます。売却を決めていない段階でも、買い手候補の類型、資料準備の優先順位、匿名で打診できる範囲を確認することは可能です。譲渡企業様からは、成功報酬を含めて手数料をいただかない方針のため、費用面を気にして相談を先送りする必要はありません。

最初から完全な資料を揃える必要はありません。どの資料があり、誰が保有し、何が未確認かを記した一覧が出発点になります。当センターへの手数料0円と、税金・登記費用・外部専門家や許認可手続等の費用は分け、依頼範囲を契約前に確認してください。

関連する確認:株式譲渡・事業譲渡の比較 / ディーラーの継続収益・商流の評価 / 匿名で譲渡相談をする

医療機器M&A総合センターでは、譲渡企業様から成功報酬を含む手数料をいただかず、匿名相談の段階から薬事・QMS・商流・保守の整理を支援します。

一次資料(2026年9月14日確認):厚生労働省2020年12月25日事務連絡・医療機器の販売貸与修理Q&A(修理Q12〜14)、大阪府・変更届、厚生労働省・事業譲渡等指針、M&A支援機関登録制度・よくあるご質問。制度の適用や具体的な提出先は、業態・拠点・取引方法に応じて確認します。

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この記事を書いた人

医療機器販売業、製造販売業、修理業、保守点検、SaMD、医療材料卸などのM&A・会社売却・事業承継に関する実務情報を編集しています。

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