デューデリジェンス(DD)の資料準備では、ファイルを集めるだけでなく、誰がどの時点の情報を管理しているかをそろえます。本稿では、医療機器会社の経営者や管理部門が全体を進行するための資料一覧と提出管理の作り方を整理します。
最初に資料管理表を作る
買い手からの依頼項目に資料番号を付け、担当部署、基準日、準備状況、提出予定日、開示範囲を管理します。「未提出」は、作成中、確認待ち、該当なし、資料なしに分けます。該当しない理由を添えると、依頼漏れとの区別がつきます。
| 分野 | 準備する資料の例 | 照合する点 |
|---|---|---|
| 財務・税務 | 決算書、月次試算表、売上・粗利明細、借入一覧 | 集計期間と会計帳簿の対応 |
| 薬事・品質 | 品目・拠点一覧、関連手続の資料、品質記録 | 対象製品と資料の版・範囲 |
| 契約・商流 | 顧客・仕入先・代理店契約、更新予定 | 実際の取引と契約条件の対応 |
| 人材・組織 | 組織図、担当業務、雇用条件、外注体制 | 重要業務の担当者と代替体制 |
| 在庫・保守 | 在庫表、貸出機・設置機器台帳、保守契約 | 所有者、所在、数量、未完了作業 |
これは依頼範囲を相談するための例です。取引の規模や対象事業に応じて、知的財産、情報システム、不動産などの資料も追加します。
匿名概要と詳細資料を分ける
初期検討では、事業内容や規模を説明できる集計情報を中心にします。顧客名、個別価格、製品固有の情報は、組合せによって会社が特定される場合があるため注意が必要です。NDA締結後も一括で全資料を渡す前提にせず、相手、目的、必要範囲を確認して開示します。
個人情報や第三者の秘密を含む資料は、契約や取扱条件を確認し、必要に応じてマスキングや閲覧制限を行います。資料ごとに承認者と提出先を記録してください。
提出前に数字と台帳を照合する
顧客別売上の合計が会計資料と合うか、在庫数量の基準日が一致しているか、保守売上と契約台帳の対象範囲がそろっているかを確認します。差異がある場合は無理に数字を合わせず、集計条件や除外項目を説明します。
買い手からの質問は、質問番号、関連資料、回答担当、期限、回答日を一つの表で管理します。口頭回答も要点を残し、資料を差し替えるときは旧版と変更履歴を保存します。
分野別の詳しい準備
品質分野はQMS文書・監査記録の整理と買い手の薬事・品質確認項目、収益分野は継続収益の資料化と保守契約台帳の作り方を参照してください。

